『ボートフィッシングマナー』
1.「カカリ釣り編」
- ゴミや空き缶、タバコの吸い殻を海に捨てない。当然の事です。簡易に固定したゴミ袋は風で飛び海に落ちます。捨てた行為とたいして変わりません。綺麗な海を維持するためにも捨てない。
- 職業漁師の邪魔にならないよう十分注意してアンカー投入する。
- アンカーを打てば船が動かない訳ではありません。走錨、風向き、潮流、干満などで動くのです。回りに居る船に気を払いながら釣りを楽しみたいものです。
- 他艇のアンカーロープをまたいで自艇のアンカーを打つと言う事はとても非常識な事です。
- アンカーロープにブイなどを繋いでアンカーが入っている事が遠くからでも解るようにしましょう。
- アンカーを打つ海域に、養殖筏、定置網、漁網などが無いか良く確認してから打ってください。漁具を固定するワイヤなどが海底に張り巡らされています。
- アンカーを打つ場合、周辺に居る船を見て、そのアンカーロープが船首だけか、船尾からも入ってるかまず確認してください。船首のみの場合、風や潮流で遠くにいた船が異常接近します。風流れがしやすい船や、しにくい船があるので、一概に同じようには向きを変えません。また水深が深く潮流の激しい場所の場合数百メートルもアンカーロープが入っている場合もあり、十分な注意が必要です。
- アンカリングに失敗、またはアンカー揚げに難航した場合、先にアンカーリングしている人の潮上にアンカーを打つとトラブルのもとになります。避けた方が無難です。
- 吹き流し仕掛けで釣りをしている船の潮下は、仕掛けを長く(100m位)出している場合があります。先行アンカリングをしている人の潮下近くにアンカリングするのは、避けた方が賢明です。
- 先行アンカリング船のアンカーロープの方向と船の方向で潮流と風による影響が判断できますので、まず先行船の状態を観察してから、アンカリングしましょう。
- できれば、先行アンカリング船に対して声をかけるとお互い気持ちのいいものです。
- 場所によっては、アンカリング禁止区域や、魚礁などにより、アンカリングをするだけで漁師さんから注意を受ける場合があります。注意を受けたら潔く移動し、今後は同様の注意を受けないようにしましょう。
- 底が砂質の場合、知らずに走錨する事があります。危険を伴いますので、時折自船の位置を確認しましょう。
- 蟹籠やたこ壺などの目印(発泡スチロールやペットボトル、洗剤の容器等、地域によって様々)が浮いてる近くでのアンカリングはロープなどを引っ掛ける可能性大です。なるべく距離を置くようにしましょう。
- 底質にあったアンカーを選択すれば、トラブルは少なくなります。アンカーリングが多い場合は、アンカーに工夫をしましょう。
- 航路内のアンカリングは、もっての他です。自船の安全確保も兼ねて選択しましょう。
- 2丁掛けアンカーは、よほど安全な水域以外は避けた方が賢明です。
- アンカリング時は黒球を掲げるように心がけましょう。
2.「流し釣り編」
- ゴミや空き缶、タバコの吸い殻を海に捨てない。当然の事です。簡易に固定したゴミ袋は風で飛び海に落ちます。捨てた行為とたいして変わりません。綺麗な海を維持するためにも捨てない。
- スパンカーの無いプレジャーボートではスパンカーを上げた漁船団には近づかないほうが賢明です。船団の中で一隻だけ後ろを向いて流すというのも、回りの船から見れば迷惑な話です。
- スパンカー(船体後部にある帆のような物)を上げた船団はそれぞれが一定のルールに基づき同じ方向に流れながら釣りをしています。船団の前後の水域も既にその船が先に入っているポイントという訳であり、そのポイントにアンカーを打つと言う事はマナー違反です。漁船の船団が居る有名ポイントにわざわざ行かないでプレジャーボートならではのマイポイントを見つけるのも楽しみの一つですよ。
- 流し釣りは、同じ場所に随時留まる釣りと流れに任せて移動する釣りがあると思います。
- 釣れている場所は意外と狭いものです。流し釣りは操船者が始終操らないと同じ場所に留まれません。無理に先行船に近づくとトラブルのもとでになるので注意。
- 自船が撒いたコマセで魚が寄ってる時に、他船がやってきて散らすと気分が悪いものです。十二分に注意しましょう。
- シーアンカーなどで流す場合はアンカーにはブイなどを着けて他船にわかるようにしましょう。
- 流し釣りの船団に入る場合は、スパンカーの有無や船の形状により船の向きが同様にならない事を考慮しないと他船に迷惑をかけることになります。
- 近くの船と異種の釣りをしている場合は、お互いの釣りの邪魔にならない距離を確保しましょう。
3.「トローリング編」
- ゴミや空き缶、タバコの吸い殻を海に捨てない。当然の事です。簡易に固定したゴミ袋は風で飛び海に落ちます。捨てた行為とたいして変わりません。綺麗な海を維持するためにも捨てない。
- トローリング中のボートもしくは漁船はゆっくり航行しながら後ろに仕掛けを引いています。魚種により仕掛けは様々です。極端な例で、漁船がバクダン仕掛けやジャンボ仕掛けを流している時は仕掛けの長さが100m以上もあります。アウトリガーを展開しゆっくり走っているボートの後ろをやむを得ず横切る際は十分な距離をあけて航行するように。特に立てた長いケンケン竿で引いている漁船には注意です。
- トローリング中のボートの後方は追尾しない。距離が離れているので大丈夫と勘違いしてトローリング中のボートの後ろを追尾して同じ方向にトローリングすることはマナー違反です。大魚はヒット後、あっと言う間に数100mも走ります。十分距離があると思っても予想以上にヒットしたボートにプレッシャーを与えてしまいます。
- トローリング海域は本船航路となっている場合もあります。本船は遠くにいるように思っていてもふと思うと、ものすごく接近している場合があります。「もし今ヒットしたら」と思い、事前に十分避けておく事が重要です。
- トリヤマなど海上からでも一目でわかる場所には周辺にいるボート、漁船が殺到します。しかし我々はあくまでレジャーとしてトローリングを楽しんでいます。一年の稼ぎのほとんどをカツオ漁で得る漁船は当然血走っており、むやみに突入するのは避けましょう。また漁船同士がトリヤマやなぶらを周回している時は各漁船が漁業無線で交信しながら一定の距離を明けて同じ方向に回り群れを散らさないように漁をしている場合があります。ココへ何も知らないボートが突っ込めばトリヤマはアッという間に散ってしまうどころか、漁師は必ず激怒します。トリヤマやナブラには突っ込むのではなく、回りを周回するものなのです。その方が確実に長い時間釣れ続け、大漁につながります。
- トローリングをする海域で、停船していたり、バックしていたり、明らかに遅いスピードで前進していたり、急に動いたと思ったらまた止まったり、クルクル向きを変えたりするボートはまずファイト中と思って近づかないようにしてください。ファイティングフラッグ(大魚とのファイト中を示す赤い旗)というのは遠くからは見えにくい物です。ファイト中に回転灯を回している船もあります。大魚とのファイト中は1000m程ラインが出ている場合も多く、十分な距離を離すように心掛けてください。但し、1000mもラインを出す事自体を知らない漁師もいます。
- ファイト中のボートは魚に合わせて動いています。後ろを通らなければ良いと言うのは間違いです。
- 無線でヒットコールがあると周辺に居るボートの多くがヒットしたボートの周辺至近に集まります。しかし、至近に寄れば釣れると言う事では無いと思います。魚というのは浮く時間、沈む時間という物があり、それぞれの良い潮の有る海域で繰り返されています。自分の信じる海域をじっくり攻める事によってヒットする方が嬉しいじゃありませんか。
INBC TOPへ戻る