『ボート無線搭載のススメ』

ボート(海上)で使える無線設備を紹介します。無線の最大のメリットは一度に複数の無線局(ボート)と交信(傍受)出来る事にあります。また無線設備の周波数や出力にもよるが、視界範囲にない遠方のボートとの交信も可能で陸地との接点が無いボートには是非搭載して貰いたい通信手段です。
ただし、無線設備については数多くの種類があり、無線設備が有ればどのボートとも交信出来るというのは間違いで、それぞれが同じ無線設備、周波数を利用していて始めてお互いが交信出来る訳です。
自前の通信手段を確保すると言う事は自身の安全にも関わる事で、十分に検討した上で御自身のボートライフにあった無線設備の設置をお勧めします。

既に書いたように、通信したい相手と同じ無線設備でなければダメな訳ですから、クラブ仲間、マリーナ仲間がどんな無線を設置しているかを見極めないといけません。
またそれぞれの地方において、マリーナなどの垣根を越えて普及している無線設備というのがあります。この場合マリーナ等の勧めも有って後から搭載しようとするボートにも設置される場合が多く、歴史の浅い無線設備の普及には時間がかかります。

●携帯電話

※現在誰でもが持っているほど手軽な無線設備。デメリットは相手の番号が解らないと通信出来ない事と、1対1の交信しか出来ない。海上では電波圏外になる場合もある。

●船舶電話

※船舶専用の移動電話で衛星を利用した物もある。デメリットは非常に高価。

●特定小電力トランシーバー

※実際には見える範囲のボート同士でしか使えず、あまり役に立たない。

●27MHz帯無線

※現状では漁業用無線としての利用が一般的だが、ごく一部のプレジャーボートも使用している(海岸局への加入が必要)。海岸局の多くが漁協の為、プレジャーボートには普及しにくい。

●400MHz帯無線

※基本的には一般プレジャーボート用に作られた周波数で1986年から運用が開始された。しかしあまり普及せず、現在ほとんど利用されていない。

●国際VHF無線

※世界中で最も普及している船舶用無線で海上保安庁の巡視艇や本船も利用している。しかし日本では規制が多く、国際通信の出来る無線従事者の資格が必要になる。

●マリンVHF無線

※国際VHFには57チャンネル有り、その中の20チャンネルを国内用として、出力を5Wに制限し運用が開始された日本独自の無線システム。
国際VHFに比べ出力は小さいがあくまで国際VHFの中のチャンネルなので、海上保安庁の巡視艇や本船とも交信出来るメリットがある。
大きな流れとして、ボート用無線の定番になりつつある。
チャンネル表は
・77ch : マリンVHF 呼び出し、応答用
・69.72.73ch : マリンVHF 船舶局−船舶局の一般交信用
・86.87.88ch : マリンVHF 船舶局−海岸局の一般交信用
・16ch : 国際VHF 呼び出し、応答用及び遭難緊急安全通信
・13ch : 一般船舶局との航行安全に関する通信
・12.14 : 海上保安庁海岸局との通信
・6ch : 一般船舶局との通信

●アマチュア無線

※広く昔から最もポピュラーな無線設備で、陸上、海上、空中での利用が可能。プレジャーボート用の無線が無かった時代から普及している為、マリンVHFの運用が開始されている現在でも一番メジャーとなっている場合が多い。プレジャーボートが良く利用している周波数としては50MHz帯、144MHz帯、430MHz帯等がある。

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